ひとりで暮らせる。でも、ひとりで暮らし続けるのは少し不安。「シニアシェアハウス」という選択肢

高齢期の住まいに、いま新しい選択肢が求められています
年齢を重ねても、できることなら自分らしく暮らしたい。
自分の好きな時間に起きて、好きなものを食べて、出かけたいときには出かける。
誰かに生活を決められるのではなく、できることは自分でする。
そんな暮らしを望む方は、少なくないと思います。
ただ、「一人で暮らせること」と「一人で安心して暮らし続けられること」は、少し違います。
今は元気でも、
「家の中で倒れたらどうしよう」
「最近、誰とも話さない日が増えた」
「夜、一人で過ごすことに少し不安を感じる」
「子どもにはできるだけ心配をかけたくない」
年齢とともに、そんな小さな不安が少しずつ増えていくことがあります。
これからの高齢社会では、こうした方たちのための「自宅でも施設でもない住まい」が、もっと必要になっていくのではないでしょうか。
高齢者の一人暮らしは、これからさらに増えていきます

日本の65歳以上人口は3,624万人。総人口に占める割合は29.3%となり、すでに約3.4人に1人が65歳以上です。
高齢化とともに大きく変化しているのが、家族のかたちです。
以前のように、子どもや孫と一緒に暮らすことが当たり前ではなくなり、高齢になっても一人で暮らす方が増えています。
国立社会保障・人口問題研究所の推計では、一般世帯全体に占める「65歳以上の単独世帯」の割合は、2020年の13.2%から、2050年には20.6%まで上昇すると予測されています。
将来は、約5世帯に1世帯が65歳以上の一人暮らしになる計算です。
子どもが遠方に暮らしている。
頼れる親族が近くにいない。
家族がいても、仕事や子育てがあり、日常的に支えることは難しい。
これからは「高齢になったら家族が支える」という仕組みだけでは、暮らしを支えきれない時代になっていきます。
元気だからこそ、まだ施設には入りたくない
高齢者の住まいというと、老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅を思い浮かべる方も多いかもしれません。
しかし、
自分で食事ができる。
自分でお風呂に入れる。
買い物にも行ける。
身の回りのことも自分でできる。
そんな方にとって、「まだ施設に入る必要はない」と感じるのは自然なことです。
だからといって、一人暮らしを続けることにまったく不安がないとは限りません。
実はここに、高齢期の住まいの大きな課題があります。
「介護施設に入るほどではない。でも、一人暮らしには少し不安がある。」
この時期に合った住まいの選択肢は、まだ決して多くありません。
「一人ではない。でも、自分の暮らしは守られる」
その選択肢のひとつが、シニアシェアハウスです。
シェアハウスといっても、四六時中みんなで一緒に過ごすわけではありません。
それぞれに自分の個室があり、自分の時間があります。
部屋でテレビを見る。
本を読む。
外出する。
家族や友人に会いに行く。
生活の基本は、それぞれが自分で決めます。
そして個室を出れば、同じ家で暮らしている人がいる。
「おはようございます」
「今日は暑いですね」
そんな何気ない会話がある。
食事のときに顔を合わせたり、廊下から誰かの生活の気配が聞こえたりする。
大きなイベントがなくてもいいのです。
「誰かの気配がある暮らし」そのものが、一人暮らしとの大きな違いです。
必要なのは「介護」だけではありません
高齢者の暮らしを考えるとき、「介護が必要か、まだ必要ではないか」で分けて考えてしまいがちです。
しかし実際には、その間に長い時間があります。
まだ介護は必要ない。
でも、一人で暮らし続けることには少し不安がある。
時々、誰かに気にかけてもらえると安心する。
何かあったときに、相談できる場所があると心強い。
こうした「介護になる前の暮らし」をどう支えるかは、これからますます大きな社会課題になります。
国も、単身世帯の増加などを背景に、高齢者を含む住宅確保要配慮者が安心して暮らせる住まいづくりを進めています。
2025年10月には改正住宅セーフティネット法が施行され、「日常の安否確認」「訪問等による見守り」「必要な福祉サービスへのつなぎ」を行う「居住サポート住宅」の認定制度も始まりました。
これから必要になるのは、介護が必要になってから支える仕組みだけではありません。
元気なうちから、安心して暮らし続けられる環境をつくること。
その重要性が高まっています。
「助け合わなければならない家」にはしない
シェアハウスという言葉から、「入居者同士で助け合う暮らし」を想像される方もいるかもしれません。
もちろん、自然な声掛けや交流は大切です。
ただし、私たちは、誰かが誰かのお世話をすることを前提とした暮らしにはしたくないと考えています。
「高齢だから助けてもらう人」
「元気だから助ける人」
そんな役割を決めてしまえば、共同生活そのものが負担になってしまいます。
それぞれが自分の生活を持ち、できることは自分でする。
困ったことがあれば、必要に応じて家族や地域、医療・福祉などにつないでいく。
入居者同士は「支援する人」と「支援される人」ではなく、同じ家で暮らす住人です。
近すぎず、遠すぎない。
そのくらいの距離感が、長く一緒に暮らしていくためには大切だと考えています。
すべての方に合う住まいではありません
シニアシェアハウスは、すべての高齢者に適した住まいではありません。
共同生活ですから、生活音や共有スペースの使い方など、お互いへの配慮が必要です。
また、身体の状態が変化し、日常生活で常時介助が必要になれば、シェアハウスでの生活が難しくなることもあります。
シニアシェアハウスは、老人ホームの代わりではありません。
自分のことを自分でできる時期を、できるだけ長く、自分らしく安心して暮らすための住まい。
私たちは、そのように考えています。
なぜ、建築会社がシニアシェアハウスをつくるのか

私たち「あすなろ設計事務所」は、これまで住宅の設計やリノベーションを通じて、多くのご家族の暮らしに関わってきました。
その仕事を続ける中で感じてきたのが、住まいは「建物」だけを整えれば完成するわけではないということです。
どんなにきれいな家でも、暮らす人の生活に合っていなければ、良い住まいにはなりません。
これは高齢期の住まいでも同じです。
転倒しにくい動線。
無理なく移動できる間取り。
寒さや暑さへの配慮。
地震に対する建物の安全性。
毎日の生活を無理なく続けられること。
そして、孤立しないこと。
高齢期の安心には、「建物の安心」と「暮らしの安心」の両方が必要です。
私たちは建築の仕事をしてきたからこそ、その両方を考えた住まいをつくりたいと思いました。
そこから生まれたのが「COCO静岡」です
こうした考えから、私たちは静岡市で、60歳からの大人のシェアハウス「COCO静岡」を運営しています。
COCO静岡は、介護施設ではありません。
「まだ自分のことは自分でできる」
「自由な生活は続けたい」
「でも、一人暮らしをずっと続けることには少し不安がある」
そんな方のための住まいです。
自分の部屋があり、自分の時間がある。
外出も自由です。
そのうえで、同じ家には一緒に暮らす人がいて、完全な一人暮らしではありません。
目指しているのは、誰かに管理される暮らしではなく、
「自由」と「安心」が、ちょうどよく共存する暮らしです。
「自宅」か「施設」か。その間に、もうひとつの選択肢を
これまで高齢期の住まいは、
「今の家で一人暮らしを続ける」
「子どもと一緒に暮らす」
「高齢者施設へ入る」
という選択肢が中心でした。
しかし、家族のかたちも、老後の生き方も変わっています。
これからは、その間にもっと多くの選択肢があっていいはずです。
一人の時間を大切にできる。
誰かの気配も感じられる。
困ったときには相談できる。
できることは自分でする。
そして、必要になったときには適切な支援につながる。
そんな暮らしも、高齢期の住まいのひとつです。
人生が長くなった今、
「何歳まで生きるか」だけではなく、
「長くなった高齢期を、どこで、誰と、どのように暮らすのか」
を考える時代になってきました。
まだ元気な今だからこそ、自分のこれからの暮らしを考えてみる。
シニアシェアハウスは、その選択肢のひとつです。
COCO静岡の暮らしを、実際に見てみませんか?

「自分にシェアハウスが合うのかわからない」
「親の一人暮らしが少し心配になってきた」
「まだ入居を決める段階ではないけれど、どんなところか見てみたい」
そんな方も大丈夫です。
写真や文章だけでは、シェアハウスの暮らしはなかなか伝わりません。
実際の建物をご覧いただきながら、個室や共有スペース、日々の暮らし方についてご説明しています。
無理に入居をおすすめすることはありません。
これからの住まいを考える選択肢のひとつとして、まずはCOCO静岡を知っていただければと思います。
COCO静岡の住まいや暮らしについて、詳しくはこちらからご覧いただけます。 60歳からの大人のシェアハウス「COCO静岡」
参考資料
