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築35年の家を、家族のこれからへリノベーション

  • 1 時間前
  • 読了時間: 6分

残すものと変えるものを考えるリノベーション


今回から、築35年の住宅が完成するまでのリノベーション工事を、何回かに分けてご紹介していきます。

工事が進むにつれて見えなくなってしまう部分や、既存の家をどのように残し、どのように変えていくのか。

完成した姿だけでは伝わりにくい、リノベーションの過程も含めてお伝えしていきます。



お父様がこだわって建てた、思い出の残る家


築35年の木造住宅に残る木製門と大谷石の塀
劣化と使い勝手を考えて、解体する事に決めた門と大谷石の塀

この家を建てたのは、ご主人のお父様です。

築35年。ご主人にとっても長く暮らした思い出のある住まいで、お父様が素材や造りにこだわった部分が、今も随所に残っています。

建替えも選択肢の一つでしたが、築35年でまだ活かせる部分も多く、お父様がこだわって建てた家の面影を残しながら、これからの暮らしに合わせて住まいをつくり直すリノベーションを選ばれました。

建替えと比べて全体の費用を抑えながら、まだ使える部分や思い入れのある意匠を活かし、耐震・断熱など必要な性能向上にも手を入れられることが、リノベーションを選ぶ理由の一つになりました。

ただし、思い出があるからといって、すべてを残すわけではありません。

最初に見直すことになったのが、道路に面した木製の門と大谷石の塀です。

長い年月を経て劣化が進んでおり、地震の際の倒壊リスクを考え、今回は撤去することになりました。

趣のある門構えだけに残したい気持ちもありますが、これから長く安心して暮らしていくためには、安全性を優先しなければならない部分もあります。

リノベーションでは、古いものを残すこと自体が目的ではありません。

残すもの、変えるもの、そして安全のために撤去するもの。それぞれを見極めながら計画していきます。



築35年の家をリノベーション|続き間の和室は家族が集まるLDKへ


リノベーションでLDKになる築35年住宅の続き間の和室
建物中央にある和室の続き間

現在の1階には、昔ながらの続き間の和室があります。

今回のリノベーションでは、この場所を大きくつなげ、子世帯のLDKへと変えていきます。

この家でこれから暮らすのは、ご夫婦とお子様、そしてお母様の三世代です。

二世帯住宅といっても、すべてを完全に分ける計画ではありません。

玄関と浴室は共有し、キッチンやトイレ、LDKはそれぞれに設けることにしました。

一緒に暮らしながらも、生活する時間や食事の好みまで無理に合わせる必要はありません。

家族の距離感、暮らしやすさ、工事費のバランスを考えながら、共有する場所と分ける場所を整理しています。

そして、間取りを大きく変えるリノベーションでは、見た目や使い勝手だけを考えて壁や柱を動かすことはできません。

既存の柱や壁が建物の中でどのような役割を担っているのかを確認しながら、耐震性や制振、断熱性といった住まいの性能もあわせて考える必要があります。

今回も、暮らしやすい間取りへの変更とともに、これから安心して暮らすための性能向上を計画しています。

工事が進み、壁や天井の中が見えてきた段階で、その様子もご紹介していきます。



新しくしすぎないことも、この家では大切に


既存の丸太梁や木部を活かしてLDKに取り込む縁側
雰囲気を残す縁側

この家には、今の住宅ではあまり見られなくなった木の意匠が随所に残っています。

縁側の丸太梁や欄間、廊下の天井などもその一つです。

今回のリノベーションでは、それらをすべて取り払って新しい材料へ置き換えるのではなく、今の暮らしに合うように整えながら、残せるものを活かしていきます。

特にご主人が残したいと希望されたのが、リビングになる和室の幅広の天井板です。

ご主人は突板に関わるお仕事をされていることもあり、木の素材や見え方には強い思いがあります。

その一方で、既存の木部をたくさん残せば、それだけで良い空間になるわけではありません。

欄間、丸太梁、天井板など、どこを残し、どこを新しくするのか。

新しく使う素材との組み合わせや空間全体のバランスを見ながら、一つずつ決めていきました。

目指しているのは、昔の家をそのまま保存することでも、新築のようにすべてを新しく見せることでもありません。

昔からこの家にあったものと、新しく加わるものが自然に共存する住まいです。

完成したときに、どこか懐かしさがありながら、今までとはまったく違う。

そんな「古くて新しい」空間を目指しています。



和室だった場所が、新しいLDKに


リノベーションで残して活かす幅広の突板天井
リビングになる和室 そのまま残す予定の天井板

もう一つ、大きく役割が変わる場所があります。

現在は和室として使われているこの場所に、子世帯のLDKを設けます。

畳の部屋だった場所がキッチンとなり、続き間の和室や縁側を含めた空間全体が、新しいLDKへと生まれ変わります。

お母様の生活スペースには別のLDKを設けます。

家族が一緒に暮らしながらも、それぞれの生活リズムを大切にできること。

そして、共有する浴室を中心に、親世帯と子世帯を効率よくつなぐこと。

今回の間取りでは、二世帯で暮らすからこその動線や収納についても細かく検討しています。

洗面と脱衣を分けることで、誰かが入浴しているときでも洗面を使えるようにし、家族が重なる時間にも使いやすいよう洗面台は2ボールとしました。

こうした日々の小さな使いにくさを減らすことも、間取りを考えるうえで大切なポイントです。

このあたりは、工事が進み間取りが形になってきたところで、改めて詳しくご紹介したいと思います。



残すことも、変えることもリノベーション


リノベーションでダイニングキッチンに生まれ変わる既存和室
ダイニングキッチンに変わる予定のスペース

既存の木部を活かした二世帯住宅のダイニングキッチン計画
既存に馴染ませるダイニングキッチン計画案

これから工事が始まると、現在見えている壁や天井の一部が取り外され、建物の中が少しずつ見えてきます。

築35年の家の構造や断熱は、実際にどのような状態になっているのか。

そして、残したい天井板や欄間、丸太梁を、新しい間取りや素材の中へどのようにつないでいくのか。

二世帯で暮らしやすい間取りと、安心して長く住むための性能、そしてこの家がこれまで持っていた雰囲気。

その三つを大切にしながら、リノベーションを進めていきます。

次回は、解体が進んだ現場から、完成すると見えなくなってしまう部分も含めてご紹介していきます。






築41年の住宅をリノベーションした「藤枝リノベーション展示場」では、既存住宅を活かした間取り変更や、耐震・断熱改修を実際の空間でご覧いただけます。

リノベーションで今ある住まいをどこまで変えられるのか、実際の空間を見ながら考えてみたい方は、ぜひご覧ください。



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