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想いを受け継ぎ、今の暮らしに。 持ち家のリノベーション

このページでは、静岡市で実際に行った持ち家リノベーションの事例をもとに、「何に費用をかけ、どこを抑えたのか」という判断の考え方をご紹介しています。
相続した実家を、これからの暮らしに合わせて整えたケースを通して、リノベーション費用の組み立て方を具体的に解説します。

-この住まいと、これからの暮らし

相続した実家を、これからの暮らしに合う形で整えたい。
そんな思いから、このリノベーションは始まりました。
長く住み続けてきた家には愛着がある一方で、今の生活には合わない部分も感じていました。
建て替えではなく、「住み継ぐ」ことを前提に、どこまで手を入れるべきかを考えるところから計画を進めています。
この住まいでは、安心して長く住み続けることを優先し、構造と動線に費用を配分しました。

Project Overview

​建築地:静岡市葵区

​ご家族:40代ご夫婦+お子様2人

施工面積:130.55㎡(38.49㎡)

リノベーション費用:2,600万

建物種別:木造軸組み

築年数:築35年

リノベーション内容:
間取り変更/家事動線改善/耐震補強/制振設置/断熱改修(ZEH基準)/水回り更新/造作洗面台/外壁ジョリパット

Before After 各階平面図

Before 1階平面図

After 1階平面図

1階既存図面

Before 2階平面図

1階リノベ図面

After 2階平面図

2階既存図面
2階リノベ図面

-これまでの住まいで感じていたこと

住み慣れた家ではありましたが、生活の中で少しずつ使いにくさを感じる場面が増えていました。
部屋ごとのつながりが悪く、動線に無駄が出やすいこと。
収納が暮らしに合っておらず、物の置き場に困ること。
また、冬の寒さや夏の暑さなど、性能面での不安もありました。

ただ、すべてを壊して新しくするほどの問題ではなく、活かせる部分も多く残っている状態でした。

-大切にしたこと、優先したこと
 

計画を進める中で大切にしたのは、共働きで忙しいご家族が、無理なく生活リズムを整えられる住まいであることでした。
帰宅してから身支度をし、家事を済ませ、くつろぐまでの動きが自然につながるよう、日常の流れを軸に考えています。

住まいの性能については、見た目の新しさよりも、揺れや温熱環境といった暮らしの安心感を支える部分を優先しました。
普段は意識しにくい要素だからこそ、長く住み続ける前提で、将来に影響する部分にしっかりと目を向けています。

間取りでは、帰宅後の身支度から家事までが一続きで完結する動線を整えました。
玄関からクローク、洗面・家事スペース、ファミリークロークへと無理なくつながる配置とすることで、忙しい日常でも動きに迷いが出にくい間取りとしています。

キッチンは、圧迫感を抑えながら対面でも使えるセパレートタイプの回遊性ある配置とし、家事をしながら家族との距離感が自然に保てるよう工夫しました。

新しさを足すことよりも、暮らしの流れを整えること。
そうした判断の積み重ねが、長く心地よく住み続けられる住まいにつながると考えています。

リノベ後玄関からファミリークローク

帰宅後直接クロークに。ジャケットやカバンの収納に便利。

リノベ後家事室からファミリークローク

家事室の隣にファミリークロークで家事負担を軽減。

-あえて手を入れなかった部分

一方で、すべてを新しくする選択はしませんでした。
使用頻度の低い部屋や、今後使い方が変わる可能性のある空間については、既存を活かす判断をしています。
仕上げや設備についても、必要以上にグレードを上げるのではなく、暮らしに直結する部分に絞って検討しました。
全体を均等に整えるのではなく、メリハリをつけることで、無理のない費用配分を意識しています。

リノベ後造作手洗い

トイレ横に設置した造作洗面台は、複数人で立てる広さがあって、朝の混雑対策ができました。

-この住まいにとってのちょうどよさ

今回のリノベーションでは、「できることをすべてやる」ことをゴールにはしませんでした。
家の状態や暮らし方、これからの時間の使い方を一つずつ整理しながら、今の家族にとって本当に必要なことを選び取ることを大切にしています。

性能や間取り、仕上げに至るまで、判断の軸にあったのは「どれだけ新しくするか」ではなく、「これからの暮らしが無理なく続くか」という視点でした。
安心感につながる部分にはしっかりと手を入れ、日常の動きが楽になるところに費用をかける。
一方で、今すぐ手を入れなくても問題のない部分や、使い方が変わる可能性のある空間については、あえて残す選択をしています。

その結果、住まい全体として派手さはないかもしれませんが、暮らしの中で感じるストレスが少なく、自然と生活が整う住まいになりました。
朝の支度や帰宅後の動き、家事の流れが滞らず、家族それぞれが自分のペースで過ごせること。
そうした日常の積み重ねが、この住まいの心地よさにつながっています。

リノベーションの費用には、決まった正解はありません。
何にお金をかけ、どこを抑えるかは、建物の条件や暮らし方によって変わります。
大切なのは、数字だけで判断するのではなく、自分たちの生活にとって意味のある使い方ができているかどうかです。

この事例は、住み継いできた家を活かしながら、今の暮らしに合わせて整えていく一つの形です。
同じ答えが、すべての住まいに当てはまるわけではありませんが、費用の考え方や向き合い方の参考として、何か感じ取っていただければと思います。

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