マンション・アパートの一棟まるご とリノベーション|静岡

1棟まるごとリノベーション
3億円の建て替えか、1.5億円の再生か。
24戸のRCオーナーである私が出した答えがあります。
建替えか、再生か。判断に迷うオーナーのために
私は物件を購入してリノベしましたが、
相続で受け継いだ方は、
もっと有利な立場にあります。
それでも、
何千万円もの投資を決めるのは、
簡単ではありません。
お金よりも、
「判断を間違えたくない」という気持ちの方が、
ずっと大きいからです。

あすなろの一棟まるごとリノベ
すべてを新しくするのではなく、古くなった建物が持つ良さを見極め、
今の暮らしに合う形へと整えていく。
コストをかけるべきところと、あえて手を付けないところ。
その判断の積み重ねが、無理のない収益につながると考えています。
一人のオーナーによる、24戸RC物件再生の記録

相続で受け継いだ建物を前に、
どう判断するのが正解なのか分からない。
そんな声を、よく聞きます。
ここに紹介するのは、
中古物件を購入し、リノベーションを行った
一人のオーナーの実体験です。
立場は違っても、
迷いの正体は、驚くほど似ていました。
SECTION 1
判断に迷う理由は、お金だけではなかった
相続で受け継いだ建物を前に、どう判断するのが正解なのか分からない。
そんな声を、よく聞きます。
空室が目立ってきた。
修繕も必要になってきた。
そろそろ何か手を打たなければいけない。
頭では分かっていても、判断は簡単ではありません。
怖いのは、お金そのものではなく、「この選択は本当に間違っていないのか」という感覚でした。
一度決めたら、簡単には戻れない。
だからこそ、多くのオーナーがここで立ち止まります。
SECTION 2
立場は違っても、条件は似ていた
ここで紹介する私は、相続で建物を受け継いだ立場ではありません。
中古物件を購入し、リノベーションを行いました。
立場だけを見ると、相続オーナーの方とは違うように見えるかもしれません。
それでも、考え始めたときの状況は、驚くほど似ていました。
築40年前後のRC造。
目立ってきた空室。
そして、いずれ避けられない大規模修繕。
不動産投資の経験はない。
金額は大きい。
一度決めたら、簡単には引き返せない。
購入であっても、相続であっても、
「判断を間違えたくない」という気持ちは同じです。
この記録は、購入の話でありながら、
あえてこの物件に投資する価値があると判断して選んだ、
購入者としてのシビアな視点も含んでいます。
購入の物語ではありますが、相続されたオーナー様の「次の一手」にも、
きっとそのまま重ねていただけるはずです。


購入当初の外観
購入当初の駐輪場と雑草
SECTION 3
「全部きれいにする」は、正解ではなかった
最初は、すべてを一度にきれいにするべきだと考えていました。
築年数を考えれば、中途半端な手入れは意味がない。
そう思っていたからです。
けれど、24戸のひとつひとつを見ていく中で、
考えは少しずつ変わっていきました。
空室になっている部屋。
劣化が目立つ共用部。
一方で、今のままでも長く住み続けてくれている入居者もいる。
すべての部屋を、
同じタイミングで改修する必要はありませんでした。
まずは空室と、
印象を大きく左右する外壁・外構から。
その後は空きが出たタイミングで、
その年の収益に合わせて、少しずつ整えていく。
結果として、
無理な投資をせず、
現実的な再生の道筋を描くことができました。
「一棟まるごと」という言葉は、
すべてを一度に変えることではありません。
一棟全体を「どう使い続けるか」を、
もう一度考え直すということなのだと思います。

やりすぎない和室

駐輪場の壁をきれいに

ドライガーデンと看板とライト
SECTION 4
何千万円という判断の、現実
再生の方向性が見えてきても、判断が急に楽になるわけではありませんでした。
何千万円という投資は、経験がない人間にとっては、想像以上に重いものです。
手元に資金があるかどうかは、実はあまり関係ありません。
お金があったとしても、
「この判断で本当にいいのか」という重圧は、
簡単には消えませんでした。
怖かったのは、
お金を使うことそのものではなく、
この選択が
「取り返しのつかないミス」にならないか、
という点でした。
だからこそ、私は一気に決めることをしませんでした。
やるべきことを絞り、優先順位をつけ、その都度、状況を確かめながら進めていく。
大きな判断を小さく分解し、一つずつ納得を積み重ねていく。
それが、私がようやく前に進めた、唯一の方法だったのだと思います。
SECTION 5
建替えが頭をよぎった瞬間
検討のプロセスの中で、建替えという選択肢は常に頭の片隅にありました。
老朽化を一気に解消し、すべてを最新の基準にできる。
将来の修繕についても、しばらくは考えなくて済む。
建替えには、分かりやすい「安心感」という魅力があります。
一方で、考えれば考えるほど、いくつかの問いが浮かびました。
「本当に、今そこまでやる必要があるのか」
数億円の借入を前提に、長い年月をかけて回収していく。
その重圧を背負い続けることに、
私はどこまで納得できているのだろうか。
建替えは、決して間違いではありません。
ただ、すべてのオーナーにとっての、唯一の正解でもない。
そう感じたことが、
もう一度、再生という選択肢を冷静に見直す
きっかけになりました。
SECTION 6
感覚を、再度数字で確かめてみる
物件を見たとき、
全体のイメージを掴む段階で、数字は一度、出しています。
建替えの場合はどうなるのか。
再生を選んだ場合は、どこまで投資するのか。
大まかな方向性は、その時点ですでに頭の中にありました。
ただ、迷いながら検討を進める中で、
一度立ち止まり、もう一度数字に向き合う必要があると感じました。
感覚だけで進んでいないか。
都合のいい解釈をしていないか。
判断に無理が出ていないか。
建替えで進んだ場合の借入規模。
再生を選んだ場合の初期投資と余力。
それぞれをあらためて並べてみることで、
判断の前提を、もう一度整理していきました。
ここで大切だったのは、どちらが得かという比較ではありません。
今の自分の状況に対して、どちらが無理のない選択なのか。
数字は、
答えを出すためのものではなく、
判断がズレていないかを
確かめるためのものだと、
あらためて感じました。

既存状態を見て完成をイメージを数字と一緒に捉える事が大切
SECTION 7
それでも、再生を選んだ理由
数字をもう一度整理してみて、
建替えと再生の違いは、単なる金額差ではないと感じました。
再生を選んだ一番の理由は、
「まだ使えるものが、確かにある」
と実感できたからです。
構造は健全で、立地も悪くない。
すべてを壊して新しくしなくても、
今の暮らしに合わせて整えることで、
十分に応えられる建物だと感じました。
もう一つ大きかったのは、判断の自由度です。
再生であれば、すべてを一度に決めなくてもいい。
空室の状況を見ながら、
収益を確認しながら、
必要なところに、必要なだけ投資できる。
その余白が、無理のない経営につながると感じました。
建替えには、分かりやすい安心感があります。
一方で、再生には、自分のペースで進められる安心感がありました。
私にとっては、後者の方がしっくりきた。
それが、再生を選んだ理由です。
SECTION 8
部屋ごとに、役割を決めていく
再生の方向性が定まってからは、
一棟をまとめて考えるのではなく、
一部屋ずつ、役割を考えていきました。
どこまで手を入れるのか。
家賃はいくらに設定するのか。
そして、どんな人に住んでもらいたいのか。
工事の内容と同時に、
使い方と家賃をセットで考える必要がありました。
基本となったのは、
もっとも汎用性の高い「基本プラン」です。
そこを軸にしながら、
個人事務所としても使える部屋。
できるだけ家賃を抑えたリフォームプラン。
猫と暮らすことを前提にした部屋。
用途や前提条件の違う住戸を、
計画的に用意していきました。
個人事務所兼自宅や、
低家賃を想定したリフォーム、
猫対応のプランは、
比較的早く方向性が固まりました。
一方で、基本プランは、
誰にとっても使いやすく、
長く選ばれ続ける形を探る必要があり、
少し時間がかかった印象があります。
すべての部屋を同じにしないことで、
入居者の幅が広がり、
結果として、
建物全体の安定にもつながっていきました。

基本プラン

個人事務所兼住居
SECTION9
正解は、人によって違う
ここまでの記録を読んで、
再生が正解だと感じた方もいれば、
やはり建替えだと思った方もいるかもしれません。
それでいいのだと思います。
建物の状態。
立地。
空室の状況。
手元資金や借入の考え方。
そして、これから何年、どう関わっていきたいか。
条件が違えば、選ぶべき答えも変わります。
建替えが向いている物件も、確かにあります。
一方で、再生によって無理なく使い続けられる建物もあります。
大切なのは、
「どちらが正しいか」を決めることではなく、
自分の状況にとって、
どちらが納得できる選択かを見極めること。
その判断を急がず、
整理しながら進めること自体が、
すでに経営の一部なのだと感じています。
SECTION10
工事の前に、判断を整理するという選択
ここまでお読みいただき、
お気づきの方もいるかもしれません。
私がやってきたことは、
すべての空室について、
いきなり工事内容を決めることではありませんでした。
迷い、
立ち止まり、
数字を確かめ、
もう一度、状況を見直す。
その繰り返しの中で、
自分にとって無理のない選択を、
少しずつ絞り込んでいきました。
一棟まるごとリノベーションは、
工事の規模や金額の話ではありません。
建物と、これからどう関わっていくかを
整理するためのプロセスだと考えています。
だから、私たちは
最初から工事の話を急ぎません。
建替えが合うのか。
再生が合うのか。
今なのか、少し先なのか。
再生を選ぶなら、まずはどの部屋からどのように手を入れていくのか。
判断を整理するところから、一緒に考えていきたいと思っています。
それが結果的に、納得できる選択につながると、実体験として感じているからです。

使い手次第で変わる部屋

清潔感を出して、ターゲット幅を広く